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富山インド協会


2014年 活動報告

文化交流 一層促進

富山インド協会は、富山とインドとの相互の文化交流活動を活発に行っています。昨年は、11月のインド経済文化視察団に参加した富山県華道連合会(酒井和佳子理事長)が、首都ニューデリーで作品展を開催。富山では5月の定期総会に合わせてインドの古典舞踊劇「カタカリ」の公演が繰り広げられました。会員をはじめ多くの人が、それぞれの地に古くから根付く伝統文化の魅力に触れ、今後ますます富山とインドの文化交流が加速していくことが期待されます。

デリーで華道展

伝統文化の魅力伝える 現地で生け花展

富山県華道連合会は昨年11月12日、ニューデリーのホテルで華道展を開き、日本の伝統的な文化を紹介しました。周辺の官公庁で働く人たちやホテルの利用客らが生け花作品を鑑賞し、「和の心」に触れました。

連合会の役員が華道展前日の早朝、現地の市場で花材を調達。視察団に参加した連合会メンバー17人が、日本から持参した花器に花材を生けて1人1点ずつ出品しました。会場のホテルロビーにはバラやカラー、レンギョウ、カスミソウなどを用いた気品漂う作品が並び、副団長の酒井理事長が連合会の活動や作品について説明しました。現地に住む富山市や高岡市出身の女性も訪れ、会員たちは感激した様子でした。

華道展は、同会が両国の文化交流を深めようと、富山インド協会と北日本新聞社、富山県芸術文化協会、富山県、富山テレビ放送の協力で開催しました。

前日には、開幕記念パーティーをホテルで開催。酒井理事長と川合史光副理事長、山下瑞穂副理事長の3人が、着物姿で生け花のパフォーマンスを披露し、池坊、龍生派、小原流の伝統にのっとった作品を仕上げました。パーティーには、八木毅駐インド日本大使や日系企業の役員、現地の華道関係者らも出席。会員たちは抹茶を振る舞ってもてなし、親睦を深めました。

現地の華道家たちとも交流

富山県華道連合会のメンバーは同月12日、草月流ニューデリー支部のビーナ・ダス支部長宅を訪れました。料理を囲み、お互いの活動を報告し合ったり、生け花の普及法について意見交換したりしました。記念写真も撮影するなど、和やかな雰囲気で歓談しました。

華道は、仏前の供花がその由来ともされ、インドには日本の流派の支部もあります。酒井理事長は「生け花を通じて両国の交流がより深まるとうれしい」と話していました。

富山でカタカリ公演

古典舞踊の魅力に触れる 富山でカタカリ公演

カタカリ公演は、昨年5月21日の富山インド協会の定期総会に合わせ、富山市のホテルグランテラス富山で開かれました。同日来県したディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使と共に、会員たちは独特の踊りを楽しみ、インドの伝統芸能の奥深さを実感しました。

開演に先立ち、ワドワ大使が「カタカリは歌舞伎との共通点が多い。皆さんに楽しんでもらえるとうれしい」と話しました。

今回の公演では、インド大使館が本国から招いた舞踊団「カタカリ・スクール」の男性8人が出演。叙情詩「マハバラータ」の中の物語の一つとして知られる「ドゥルヨーダナ・ヴァドハム」を演じました。踊り手は奇抜なメークと豪奢な衣装を身にまとって登場し、声を一切発せず、手指の動きと顔の表情で感情を表現。打楽器の力強い音色に合わせて重厚で迫力ある踊りを披露しました。

鑑賞した会員らは、本場さながらの幻想的な雰囲気を心行くまで楽しんでいました。

「カタカリ」とは…

インド最南端ケーララ州の舞踊劇「カタカリ」は、インドの四大古典舞踊の一つとして、また世界三大化粧劇の一つとして世界各国に紹介されています。

カタカリは、呪術的芸能による神々の物語などを礎にした世界最古の演劇クリヤッタムや、クリシュナッタム、カラリパヤットという武術の要素が加わって1500年ごろに成立しました。「カタ」は物語、「カリ」は舞踊を表す言葉です。神話などの物語が表現され、ドラマ風の構成となっています。台詞はなく、物語の展開は歌によって表現されます。

歌舞伎や京劇にも似た仮面のような演者の隈取りは、半日がかりで施されます。石灰を用いて作る白髭は乾かしては塗る作業を繰り返し、6センチ近いものにします。今では、途中から紙を貼り付けますが、それでも4時間ほどはかかります。

複雑怪奇な顔の表情やムドラーと呼ばれる魔術的な指の動き、華美な王冠と原色を多用するメーキャップなど、奇抜な姿で観客を圧倒します。

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