富山インド協会は6月4日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で総会を開きました。総会では蒲地会長が「インドは今後も人口増加や経済成長が見込まれる。交流を一層充実させ、インドとのパイプを太くしていきたい」とあいさつし、新田八朗富山県知事の代理、細川謙一富山県地方創生局次長多文化共生推進室長が祝辞を述べました。議事では2024年度の決算や役員改選案を承認し、2025年度事業として、10月に富山市でインド映画上映会を開くことなどを決めました。
総会には、来県中の小野啓一駐インド大使も出席しました。富山県が協定を結ぶアンドラプラデシュ州を「資源が豊かであり、大きな港湾や日系企業が進出する工業団地もある。政治的にも安定した都市だ」と紹介。インドからの観光誘客拡大に向け、県内に映画作品のロケを誘致することを提案しました。

2025年 活動報告
パイプさらに太く
「自社の強みを棚卸しして」平谷氏(高砂電気工業株式会社代表取締役)が講演
総会に合わせて講演会も開き、精密部品の設計や販売を手掛ける「高砂電気工業株式会社」(名古屋市)の平谷治之代表取締役が講師を務めました。「中小企業がインドで事業拡大するための具体的なアクションプラン」と題し、高度外国人材の採用・定着に欠かせないポイントやビジネス戦略などを説明。「インド人大学生の約8割は日本を魅力的に感じている」と述べ、多様な人材が活用できる環境づくりの重要性を強調しました。
平谷氏は、顧客からの技術的要求に応じるには新たなイノベーションを生み出す必要があるため、高度外国人採用を積極的に進めていると説明。インド人材を採用する際には、独立志向や個人主義的な傾向があることを理解した上で、「本人の望むキャリアパスや競争・挑戦環境を提供し、成長が実感できる職場を作る必要がある」と話しました。日本人社員にとっても、知恵を絞って外国人社員とコミュニケーションを取ることで、営業力が向上するといった相乗効果が現れていると紹介しました。
実務を通じて技術を習得するOJTで経営理念を深く理解してもらうことで、将来的に現地法人を立ち上げる際、現地で活躍してもらうという考えも披露。採用活動や将来に向けた関係づくりとして、教育機関やスタートアップ企業を訪問していると説明し、インド進出を検討している中小企業に「自社の強みを棚卸ししてうまくアピールしたら相手の心にきっと刺さる」とアドバイスしました。
外国人材を受け入れる日本人のメンタリティーを変えることも大切だと説き、経営者の個性をアピールする必要性も示しました。