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富山インド協会


2013年 活動報告

定期総会・特別講演会(2013年6月3日)

 富山インド協会(会長・河合隆北日本新聞社会長)は昨年6月3日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で定期総会を開きました。ディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使による特別講演会や懇親会もあり、会員約100人が富山とインドの交流促進に向けて誓いを新たにしました。総会に合わせてインドの製薬業界と県内企業の連携について考える「インド薬業セミナー」も富山国際会議場で開催されました。

定期総会に100人 交流促進へ決意新た

 総会では会員の県内企業トップら約100人とディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使が経済・文化両面で富山とインドの交流を密にしていくことを確認しました。

 河合会長が「日印交流は第二の黄金期を迎えている。絆を強めたい」とあいさつ。名誉顧問の石井知事が「官民が心を一つにして、文化や観光など幅広く連携することが大切だ」と祝辞を述べました。

 任期満了に伴う役員改選で河合会長を再任。新たな顧問に田畑裕明衆院議員と県市長会長の髙橋高岡市長、参与に本川氷見市長、常任理事に松岡幸雄北陸電気工事社長を選びました。

ワドワ駐日インド大使特別講演 「富山と緊密に連携」

 ワドワ大使は「インドにおける日本企業のビジネスチャンス」と題して特別講演しました。インドにおける今後のインフラ整備計画などを説明し、「製造業やエレクトロニクス、医薬品関連などで商機がある。富山の企業にインドを次の進出先に選んでほしい」と呼び掛けました。富山との交流促進については「大使館として富山と緊密に連携し、企業進出や文化交流を支える」と語りました。

 講演でワドワ氏は、日系企業がインドに進出する際の五つのメリットを紹介しました。一つ目として、日印EPA(経済連携協定)を挙げ、今後約10年で2国間の貿易総額の94%に当たる品目の関税が段階的に撤廃されることを強調しました。次に、日本政府の支援を受けて計画が進むデリー―ムンバイの産業大動脈の整備について説明し、新たな工業団地の設置のほか、水や電力など全てのインフラを高いレベルで提供するとしました。

 三つ目に、インドは製造業の占めるGDP(国内総生産)の比率が低く、政府が優遇策を進めるなど、製造業の誘致を進めていることを説明。「今後、東アフリカや中東などへの供給拠点にもなり得る」と述べました。四つ目は、半導体などエレクトロニクス分野における外資の誘致。爆発的な国内市場の拡大を見据え、誘致に力を入れており、日系企業にとって大きなチャンスとしました。最後に富山県でも盛んな製薬業の急成長を挙げました。

 また、インドのシン首相の訪日、天皇、皇后両陛下の訪印についても触れ、「両国関係は経済にとどまらず、安全保障やエネルギー、環境、人的交流などにも広がり、歴史的に最高の時期を迎えている」と述べました。

懇親会・セミナー(2013年6月3日)

懇親会も開催 会員ら和やかに歓談

 特別講演と総会後には懇親会も開かれ、ワドワ大使や会員が和やかに歓談しました。協会顧問の森富山市長が「富山がインド経済にどう寄与し、インド文化にどんな刺激をもらえるかは地道な交流の積み重ねにかかっている。協会の役割は大きい」と祝辞を述べ、川村人志高岡商工会議所会頭が「協会が発展し、友好関係促進の役割を果たすことを期待する」とあいさつ。水口昭一郎立山科学グループ会長の発声で乾杯しました。

 県大正琴連盟に加盟する大正琴ミズキ(射水市)の演奏に合わせ、和田朝子舞踊研究所(同)主宰の和田朝子さんがしっとりとした舞を披露しました。森政雄県薬業連合会長が中締めのあいさつをしました。

 引き続き役員夕食会が行われ、協会名誉顧問の石井知事と髙木繁雄富山経済同友会代表幹事(当時)らがあいさつ。久和進富山経済同友会代表幹事の発声で乾杯し、杉野太加良スギノマシン社長が中締めのあいさつをしました。

インド薬業セミナー開催 製薬分野で協力探る

 製薬分野での協力を探る「インド薬業セミナー」も併せて開かれました。富山市の富山国際会議場で行われたセミナーには、県内の薬業関係者ら約60人が参加。インド製薬業界の技術力やコスト競争力などについて知識を深め、製薬分野での協力のあり方を考えました。セミナーはインド大使館からの要望を受け、当協会が県薬業連合会との橋渡し役を務め、実現しました。

 在日インド大使館と日本に進出しているインド製薬企業などでつくる「インド・日本医薬品連合会(IJPA)」から講師を招きました。同大使館のアルン・ゴヤル経済商務担当公使(当時)は「インドでビジネスを」と題して講演。「インフラが強く人口が減る日本と、ソフトが強く若い人が多いインドが手を組めばウィンウィン(相互利益)の関係が築ける」と述べました。このほか、インド・ザイダスグループのザイダスファーマ(東京)のカイラッシュ・ディープ・シャルマ社長、インド・ルピングループ傘下の共和薬品工業(大阪)のサイトヤジット・アトウェ執行役員営業本部部長が講師を務めました。

 県薬業連合会の森会長は「インドは富山の製薬業界に理解がある。今後も提携を進めるべきだ」と話しました。

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